真央「トリプルアクセルは2回」 本番直前変更までの紆余曲折
2011年12月、GF直前に最愛の母、匡子さん(享年48)が逝去。葬儀翌日から練習を再開し、全日本選手権では5度目の優勝を手にした。
■「一番の見せ場」
年々体は大きくなり、今季は腰痛にも泣かされてきた。それでも浅田は、「最後の五輪は笑顔で終わりたい。3Aを跳んで“やったー!”と思える演技をしたい。3Aはプログラムの中で一番の見せ場。大きな武器でもある」というほど思い入れの強いジャンプだ。「3回を2回に」との変更は受け入れ難い決断だったことは想像できる。
別のスケート関係者は「浅田の3Aが2回になったというニュースにキム・ヨナ陣営はほくそ笑んでいるのではないか」という。
「3Aは3回転ジャンプの中では最も基礎点(8.5)が高い。各国の五輪代表で3Aを跳べるのは真央だけ。フリーで2回とも完璧に決めれば、9人の審判員に与える印象度が違う。技の出来栄えを評価するGOE(マイナス3からプラス3まで7段階)の加点も大きくなる。真央自身の気持ちだって乗ってくる。そもそもソチでの真央は、3A3回と、6種類の3回転ジャンプを8回跳ぶことを目指してやってきた。3Aの回数を減らしたということは、今も3Aに不安を抱えているという証し。表現力では定評のあるキム・ヨナは、実は3回転ルッツ+3回転トーループなどのジャンプも評価が高い。残念な決断です」