リプニツカヤ人気の重圧はねのけた ソトニコワの会心演技
演技を終えると対照的な表情を見せたのが2人のロシア勢だ。ユリア・リプニツカヤ(15)、アデリナ・ソトニコワ(17)の明暗がくっきりと分かれたのである。
1月に行われた欧州選手権覇者のリプニツカヤは、団体金でロシア初の金メダルに貢献し一気に注目された。地元ファンから「ロシア」の大歓声を受けてSPに臨み、3回転ルッツとトーループのコンビネーションジャンプを決めて勢いに乗ると、その後も安定した滑りを披露した。
最高評価のレベル4をマークするスピンも見せたが、トリプルフリップの着地に失敗して転倒。世界で1人しかできない高速のキャンドルスピンを決めながらもミスが響いて65.23点。団体のSPではトップ(72.90点)に立った15歳が5位と出遅れた。
2歳下の同僚が落ち込む姿を尻目に、今季ロシア選手権優勝のソトニコワは圧巻の滑りを見せた。中盤の2アクセルで着氷をわずかに乱したものの、技術点は出場30選手の中でトップの39.09。自己ベストを4点近く更新する74.64点で2位と好スタートを切った。
演技を終えたソトニコワの表情からは笑みが絶えなかった。電光掲示板に高得点が表示されると、手を振ってスタンドの大声援に応えた。