巨人新加入セペダ「いきなり4番」でチームに漂う不穏な空気
前代未聞の大抜擢だ。巨人に新加入したキューバの主砲、フレデリク・セペダ(34)が、15日のヤクルト戦に先発出場。それも、いきなり「4番・左翼」でのデビューだから、東京ドームのスタンドもどよめいた。
「(来日して)3日しか経っていない。時差ボケもあるし、体が重たい」と、本人が試合後に吐露したように、12日に来日したばかり。ジャイアンツ球場でたった2日間練習し、この日一軍に合流した助っ人を、原監督は試合前練習を見る前に出場選手登録。巨人の「第80代」4番を与えたことに、チーム内ではこんな声が聞かれた。
「あの人ってキューバの“国賓”なんでしょ? いくら実績があるといっても、来たばっかりで打撃も守備も見ていないのに4番って凄いよね。“実力至上主義”は国賓には適用されないんですね。それだけの大物なんだろうけど……」
某選手はそう言って皮肉交じりの言葉を途中でのみ込んだが、球団や首脳陣にとってはキューバ政府から派遣が許可されたセペダは確かに、国賓みたいなものかもしれない。試合前練習では、セペダがグラウンドに姿を現すや、キューバ音楽のサルサを流す歓待ぶり。原監督も「いざ、出陣でしょ!」といつも以上にテンションが高かった。