ビデオ検証に10分…広島の反撃に水差した審判団のドタバタ
主役は審判だった。20日のソフトバンク戦、広島のキラが4点ビハインドの八回2死二塁からバックスクリーンに2ラン……と思われたのもつかの間、これに抗議したのが秋山監督。打球がグラウンドに跳ね返ってきたことで、「フェンスは越えてないだろう」と、ビデオ判定を要求したのだ。
ところが、ネット裏に引っ込んだ審判団はいつになっても出てこない。一度はひとりの審判がマイクを持って「もうしばらくお待ちください」。最初は悠々としていたキラも、次第に落ち着きがなくなってきた。
ビデオ検証から10分後、再び前出の審判が登場。結果が出されたのかと思いきや、「重ねて申し上げます。大変難しい打球なので念には念を入れて検証しています」と言ったものだから、スタンドからは失笑が漏れた。
その直後に別の審判が、「大変長らくお待たせしました」と語りだし、ファンも選手も固唾をのんで見守る中、この審判は「検証の結果……」ともったいつけると、「二塁打と判定させていただきます!」と結論を下した。ヤフオクドームの中堅はフェンス最上部に数十センチの奥行きがあり、この部分に当たった打球がグラウンドに跳ね返った際はインプレーとして扱われるからだ。
広島はせっかくの2ランのはずがエンタイトルツーベースで1点止まりとなり、反撃空しく負けた。