世界リレー選手権 桐生祥秀の男子400mに「38秒の壁」
最強メンバーとはいえ、先行きは極めて不透明だ。
今年が初開催となる世界リレー選手権が24日(日本時間25日)、バハマで開幕。桐生祥秀(18)が3走を務める予定の400メートルリレーは日本時間25日に号砲が鳴る。今大会、男女とも8位以内に入った種目(男子は3種目にエントリー)には、アジア大会(9月、韓国・仁川)、来年の世界選手権(中国・北京)の出場権が優先的に与えられる。
100メートルで10秒01の日本歴代2位の記録を持つ桐生を擁する日本代表が過去最強なのは間違いない。順当なら8位以内は確実視されるが、アジア大会はともかく、世界選手権の出場権を得るには壁が立ちはだかりそうだ。
世界選手権の出場資格を得るには、国際陸連(IAAF)が設定した派遣標準記録をクリアすることが条件になる。北京大会の派遣標準記録は年内にも発表される予定。リレー種目は年々、高速化する傾向にあるため、IAAFは北京大会の派遣標準記録のハードルを上げる可能性もあるという。
前回モスクワ大会での男子400メートルリレーの派遣標準記録は39秒02。北京では1秒近く上回る38秒台前半に設定されるとみられている。38秒前半といえば、朝原宣治(北京五輪銅メダリスト)らが07年の大阪世界選手権でマークした38秒03の日本記録にも迫るタイムだ。
今回のリレー選手権にはロンドン五輪100メートル銀メダルのヨハン・ブレーク(ジャマイカ)ら世界のトップランナーもエントリーしている。海外勢に引っ張られて好タイムも期待されるが、38秒台前半をマークするのは至難の業だ。