東京五輪の野球復活を吹き飛ばす日本球界の「キューバ志向」
■MLBは苦々しく思っている
しかし、今回のキューバの選手解禁は、なにより優れた選手が欲しいメジャーの機運に水を差すことになる。米西海岸の代理人関係者のひとりがこう言うのだ。
「キューバ政府は今回選手を国外でプレーさせるにあたって、主に東アジア、日本を筆頭に韓国や台湾などに選手を取らないかと働きかけたと聞いています。政府に入るのは選手が手にする年俸の2割程度ですけど、米国に亡命されたら一銭も入らないわけで、いい選手をこれ以上、米国に亡命させないという意思表示でもある。そんなキューバ政府の意向をメジャーはただでさえ苦々しく思っているところにもってきて、日本はキューバ政府のオファーに真っ先に飛び付いたわけですからね。MLBがNPB(日本野球機構)に対してへそを曲げるのは当然ですよ」
つまり日本球界がキューバ人助っ人をありがたがればありがたがるほど、MLBの感情を逆なですることになるのだ。
■メジャーが「NO」と言えば…
「MLBはすでにNPBに対し、怒りにも似た感情を抱いています。日本球界が今後もキューバ人助っ人を取り続けるようなら、それなりの対処をしなければいけない。日本にダメージを与えるべきという強硬論まであると聞きました」とさるNY紙のベテラン記者がこう続ける。