本田圭佑「虚像と実像」(1) 小4で中学サッカー部に“飛び入り”

公開日: 更新日:

「さすがに心配で、私も生徒も『大丈夫か?』と聞いたんですが、圭佑は『平気ですっ!』と。あの頃から根性は据わってましたわ」(田中)

 そんな本田が月に一度だけ練習を切り上げる日があった。離婚して岡山の実家に身を寄せていた母親が、本田兄弟に会いに来る時だった。いつもとは別人のように肩をすぼめ、ボソボソと「休ませてください」と言ってくる。田中はすぐに察知した。

「小さい声で『先生、今日はもう帰ります。すんません……』と言うからね。圭佑は、ことさらに何も言わんかったけど、お母さんが大好きやったから。お母さんが会いに来た時だけはすぐにグラウンドを飛び出していった。あの後ろ姿は何とも言えんかった」

 ほんのひとときだけ享受できる母親の愛情。小学生の本田にとって何物にも替え難い大事な時間だった。
(敬称略=つづく)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…