本田圭佑「虚像と実像」(1) 小4で中学サッカー部に“飛び入り”

公開日: 更新日:

■月に一度だけ「休ませて…」

 ある日の放課後、恐る恐る兄の中学へ足を運んだ。硬い土のグラウンドでは、自分より一回りも二回りも大きな中学生が、激しい当たりでボールを追っていた。気後れしても不思議ではない。それでも孤独と戦うことを思えば、中学生に吹っ飛ばされるぐらい何でもなかった。

 摂津第二中の教諭でサッカー部顧問だった田中章博(現摂津市教育委員会、部活動振興相談員)はこう振り返る。

「弘幸がサッカー部に入ってから間もなくやったかな。放課後になると、グラウンドに体の細い小学生がふらっと現れるようになり、いつの間にか中学生に交じって、3対3とか4対4をやっている。ある日、部員に『あの小学生、誰や?』と聞いたら『弘幸の弟の圭佑です』と。私は当時も今もサッカー好きなら、誰でも来る者拒まずですから。圭佑にも『好きな時に来てええよ』と言ったわけです」

 本田は水を得た魚のようだった。体格も知力も勝る相手だろうが関係ない。サッカーのできる喜びに「興奮と爽快感」を覚えた。小学6年で利き足の左足を骨折。ギプスを巻いたまま走り回り、パスを出す姿に中学生も度肝を抜かれた。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が戦々恐々…有能スコアラーがひっそり中日に移籍していた!頭脳&膨大なデータが丸ごと流出

  2. 2

    【箱根駅伝】なぜ青学大は連覇を果たし、本命の国学院は負けたのか…水面下で起きていた大誤算

  3. 3

    フジテレビの内部告発者? Xに突如現れ姿を消した「バットマンビギンズ」の生々しい投稿の中身

  4. 4

    フジテレビで常態化していた女子アナ“上納”接待…プロデューサーによるホステス扱いは日常茶飯事

  5. 5

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  1. 6

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  2. 7

    佐々木朗希にメジャーを確約しない最終候補3球団の「魂胆」…フルに起用する必要はどこにもない

  3. 8

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 9

    フジテレビ「社内特別調査チーム」設置を緊急会見で説明か…“座長”は港社長という衝撃情報も

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭