鈴木良平氏が見た開幕戦 「ブラジルの強さは技術だけじゃない」
クロアチアが早い時間帯にオウンゴールを誘って先制したこと自体、大きな驚きではなかった。
ホスト国のブラジルと完全アウェーの中で戦うクロアチア。ピッチに姿を現した選手には緊張が見えた。しかし、過緊張ではない。「勝つぞ!」という強い気持ちが顔をこわばらせたのである。
その「強い気持ち」が先制点を呼び込む。試合開始と同時にクロアチアはフルパワーで挑み、ブラジルよりも先に試合のリズムをつかんだ。
予想通りだった。左FWオリッチがクロスを放り込み、FWイエラビッチの左足シュートが右に流れ、それがブラジルDFマルセロの足に当たってオウンゴール。「まさか大会1点目がオレのオウンゴール……」。呆然とするマルセロの心の叫びが伝わってきた。
こうなると、ブラジルの「誰が」「どの時間帯に」追いつくゴールを決めるのか? に焦点が集まった。
前半のうちにエースFWネイマールが同点弾を叩き込む――。こうなればブラジルが息を吹き返し、最後は逆転して勝利を収めるだろう。