巨人2年ぶり交流戦Vも…ベンチのやり方に選手は複雑?
「必ずしもチームの雰囲気がいいようには感じませんけどね」
巨人OBの評論家・高橋善正氏がこう言った。22日、ソフトバンクとの最終戦を制し、2年ぶり2度目の交流戦優勝を果たした原巨人。誇らしげに帽子を掲げてファンの声援に応えた原監督とは対照的に、村田や阿部はほとんど表情を崩すことなく仏頂面だったのが印象的だったが、「そりゃ、そうでしょう」と高橋氏がこう続けるのだ。
「4番の村田は前日の試合で代打を出された。2点を追う九回無死二塁という好機にベンチに下げられたわけだから、屈辱的ですよ。阿部はこの交流戦で打順を8番まで落とされたことがあった。いくら不調が続いているとはいえ、本人のプライドを考えればこれも理解に苦しむ。坂本、ロペスはそれぞれ、クリーンアップに入った試合で犠打を命じられた。普通ならベンチと選手の信頼関係が崩れ、チームがガタガタになってもおかしくない起用ですが、巨人はそれでも勝ってしまう。それだけ選手個々の能力が高いということでしょう。改めて巨人がいかに戦力に恵まれているかを痛感させられた交流戦でしたね」
前日の代打起用で赤っ恥をかかされた4番の村田はこの日、二回に特大の2ランを左中間スタンドにぶち込むと、五回には適時二塁打を放って4打数2安打4打点の大暴れ。スポーツ紙は「意地の4打点」などと書いているが、選手内では「今年のベンチのやり方にいちいち不満を持ってたら心も体も持たない。自分の仕事を淡々とこなすと達観してるだけですよ」ともっぱらだ。
試合後、原監督は村田について「修一は少し注射をあげると、すぐに効き目が出るね。もうしたくないけど」とご機嫌でコメント。村田が結果を出したのは自分の手柄、とも聞こえる談話は選手の神経を逆なでしないか――と余計な心配をしたくなる。