巨人・阿部慎之助が語る「45歳まで現役」「捕手引退の覚悟」
阿部選手にとっても、マイナスではない。キャンプで臨時コーチを務めた松井秀喜氏に「とにかくできるだけ長く(現役を)やれよ」とアドバイスされると、ボクにも「少なくともあと10年はやりますから、絶対に。そのときには、一塁を守っているかもしれませんけどね」と言っていました。笑いながらではありましたが、45歳まで現役を続けるために、捕手を離れる覚悟はできていたのです。
表情が明るくなったもうひとつの理由は、体調の不安がなくなりつつあるからでもあります。今年は開幕から打撃の調子が一向に上がらず、打順は一時、8番にまで下がりました。前半戦を終えた時点での成績は打率・245、9本塁打、31打点。ちょっと考えられない数字でした。
原因は衰えではなく、首痛です。オープン戦でギックリ腰ならぬ、ギックリ首を患い、それがずっと尾を引いていたのです。本人によれば、「一時は、朝ベッドから起き上がれず、自分で自分の髪の毛を掴んで、体を起こしたこともあった」そうです。ハリ治療などさまざまな手段を講じたもののなかなか快方に向かわず、一度は痛みが落ち着いたものの、7月の沖縄での試合でまたぶり返してしまったのです。