夏の甲子園 スカウトがドラフト候補に挙げた“掘り出し物”
「ダントツの1位候補は正直言っていません。2位までに消えるのは数人ですし、あとはみんな大学進学だっていいますからね」
こう言うのは、ネット裏にいたあるプロ球団のスカウト部長だ。その中で「外れ1位」という評価が多かったのが松本裕樹(盛岡大付、投手、183センチ、80キロ、右投左打)。対東海大相模戦での3失点完投勝利に「右肘の状態はあまりよくないと聞いていたが、ピンチになっても動じないのはプロ向き」(巨人・山下スカウト部長)、「スライダー、カッターでバットの芯やタイミングを外したり、駆け引きができる投手。十分に1位候補」(楽天・早川スカウトグループマネジャー)と各球団は絶賛の嵐だったが、岩手大会決勝で右肘靭帯を痛めた後遺症が懸念される。
「手先が器用で悪いなりにも微調整がきくが、肘を痛めたのは下半身を使った体重移動で投げ切れていないことにも原因があると見ている。そもそも投げ込みで体をつくってきたタイプではないし……」とは、在京球団の東北地区担当スカウト。肘の状態次第では、上位指名を回避する球団も出てきそうだ。