グリエル強奪狙い メジャー複数球団が「亡命画策」の仰天情報
巨人―DeNA戦が行われた今月12日の東京ドーム。内野席上方に2人の外国人が並んで座っていた。ジーンズにポロシャツ姿。格好はラフだったが、観光客の野球観戦というには、試合を楽しんでいる様子はない。時折、カバンから手帳を取り出してはメモを取る。頻繁に会話を交わすものの、その顔にはほとんど笑顔がなかった。
「雰囲気からメジャーのスカウトなんだろうなとは思った。でも、巨人にもDeNAにもメジャー挑戦がウワサされる選手はいない。広島の前田健太を視察するために来日し、ついでに東京ドームに足を運んだんだろう。その割には、妙に真剣だった気はしたけど」
とは、その試合のデータを収集するため、ネット裏に座っていたセ球団のスコアラーである。
スコアラーの見立て通り、2人の外国人はメジャーのスカウトだった。大物日本人が所属するチームの国際担当の責任者とその補佐だったが、しかし、彼らの目当ては日本人選手ではなかった。
さる米球界の代理人筋がこう言う。
「DeNAのキューバ人助っ人、グリエル(二塁手=30)の調査だとみて間違いない。実は、8月下旬にグリエルが左脇腹痛から一軍復帰したあたりから、『グリエルがメジャーでのプレーを望んでいる。亡命の決意を固めた』との情報が米球界に急速に広まったんだ。キューバ政府公認助っ人として初めての国外となる日本のプロリーグでプレーし、自信をつけたということもあるだろう。06年に、米国に亡命してヤンキース入りとのウワサが取りざたされるなど、もともとメジャー志向の強い選手。把握している限りでは、少なくともメジャー6球団がグリエルの調査を開始している」