グリエルの遠征拒否が球界のキューバブームに“冷や水”
前代未聞である。昨7日、DeNAは8日からの巨人2連戦(8日は中止)のために沖縄へ移動。が、打率・316、4本塁打の主砲グリエル(30)は飛行機に乗りたくないと帯同せず、欠場が決まったからだ。
「説得したけど、どうしても行きたくないということだった」という高田GMが「病院で精神的な検査を受けてもらう」と呆れたのも当然だ。キューバの至宝とまでいわれる男だが、兆候はあった。球団関係者が言う。
「2日に富山で中日戦を行い、翌3日に静岡へ移動した際、チーム便の飛行機ではなく、グリエルらの外国人選手だけが特急などを乗り継いで陸路で静岡入りした。彼の飛行機嫌いは確かだけど、キューバから丸1日かけて飛行機で来日している。この日、病院で『飛行機恐怖症』と診断されたが、わがままと言われても仕方がない」
沖縄に接近する大型台風による揺れが怖いというが、6月の来日早々、移動の疲れを関係者に吐露していたというから、単なるサボリの可能性もある。
同じキューバ人助っ人がいる巨人は巨人で、頭を抱えている。グリエル同様に正規ルートで来日したセペダ(34)は打率・177。交流戦後も9打数1安打とさっぱりで代打の機会すら減っているにもかかわらず、キューバ政府に気を使ってか、二軍にも落とさない。こちらは紳士で真面目と性格に問題はないが、年俸1億5000万円の“お荷物”になりつつある。
グリエルは年俸1億円。同じキューバ出身でも、巨人・アンダーソン(年俸6000万円)や昨季本塁打王の日本ハム・アブレイユ(6000万円)などの亡命組の方が値段は安いし、ハングリー精神も旺盛。「グリエル事件」で、日本球界のキューバブームに待ったがかかりそうだ。