解任寸前から日本一目指す 阪神和田監督に備わる「3つの運」
監督たりうる人材が枯渇している現状もある。03、05年優勝メンバーの金本知憲(46)、矢野燿大(45)、今岡誠(40)、赤星憲広(38)という面々は、評論活動等で儲かっているし、現在の球団の体制に入りたくない気持ちもあって、コーチ就任に乗り気ではない。「掛布、岡田に続くOBといっても平田勝男(55)や木戸克彦(53)では監督は難しい」との声もある。あとは90年代の暗黒時代の人間ばかりだ。「人材のブラックホール」で和田がひとり、現役時代のプレーさながらしぶとく生き残っている。
■岡田監督時代はコーチをたらい回し
振り返れば和田が監督になれたのは、真弓明信前監督(61)が1年の任期を残しながら電撃解任されたことが契機になった。親会社が乗り気だった元日本ハム監督の梨田昌孝(61)の招聘プランが“身辺調査”によって見送られたことによるタナボタだった。関西の財界関係者は、「梨田さんの話がなくなって以降、親会社の幹部と話をしたが、『人材がおらん』といった感じで悩ましげだった」と言う。
引退後の野球人生は、常に不遇と隣り合わせだった。マスコミ関係者が言う。