阪神ファンが抱えるジレンマ CS突破で遠のく「金本入閣」
「これでかなり遅れるんじゃないか……」
ある阪神OBがこう漏らしたのは、チーム刷新についてだ。
今年で3年契約が切れる和田監督はCSファーストステージ直前に、来季の続投が決定。CSファイナルステージで巨人にまさかの4連勝で9年ぶりに日本シリーズ出場を決めたから、あらゆるものが「現状維持」で収まりそうだ。
例えば、2年契約が切れる西岡(30)はCSファイナルステージの活躍で残留がほぼ決定。実は3年契約の福留(37)も引き続き右翼を守る。
今季は開幕直後にケガをした西岡に代わって二塁を守った上本(28)が急成長。レギュラーが決まらない三塁は打撃のいい今成(27)が務めていたが、来季は西岡が正式に三塁へ回る。福留、西岡が残留なら、引き続き若手のチャンスは限られてくる。
「それもそうだが、こっちの方が大きな問題」と、前出OBがこう続ける。
「球団は、作戦担当の黒田ヘッド(66)と吉竹野手総合コーチ(53)を来季からフロント入りさせ、すでに金本(46=評論家)に入閣要請した。指導者経験のない金本をヘッド格として和田監督の横に置き、帝王学を学ばせるつもりだった。しかし、金本がこれを固辞したため、平田二軍監督(55)が一軍へ上がることになるだろう。もしも阪神が巨人を倒した勢いそのままに日本一にまでなったら、それこそ和田監督はマスコミから名将と持ち上げられ、再契約だって複数年になる。そうなれば、ファンが待ち望む金本政権誕生はさらに遅れますよ」