巨人兼任コーチに就任 “天才”高橋由伸は人を育てられるのか
「天才がゆえの不安はありますよね」
巨人OBの評論家・高橋善正氏がこう言った。
選手兼任打撃コーチへの就任が決まり、27日に川崎市内のジャイアンツ球場で始まった秋季練習の冒頭、ナインの前で挨拶をした高橋由伸(39)について、「長嶋(茂雄終身名誉監督)さんがその代表例ですが、理屈じゃ説明のしにくいことを平気でやってのけるから『天才』と言われるわけで、この手の人は得てして『感覚派』が多い。選手を教えるときに、腰をブンと回して、バットをピュッと振れ、というね。こういう伝え方がしっくりくる選手も中にはいる。『月に向かって打て』と教えられて、東映やヤクルトなどで486本塁打を打った大杉勝男(故人)もそう。でも、感覚では伝わらない選手の方が圧倒的に多いですから」と言うのだ。
練習前に高橋由と“青空”会談を行った原監督は、「2人の高橋由伸がいる。そこは使い分けてくれと。コーチと選手。彼に能力があるから、そういう(兼任)役が回ってくる。将来的にコーチとして必要なわけだから。今はコーチもやってくれとは言っていない」と秋季練習中は選手に専念するとしたが、白羽の矢を立てた原沢代表兼GMは「卓越した打撃技術と明快な打撃理論は、すでにチーム内外で手本になっている。若手の育成が急がれる中で指導体制の充実に資するものと判断した」と理由を説明している。