モンゴル人が支える大相撲 「中韓」出身力士はなぜ増えない?

公開日: 更新日:

 かつては存在しなかった外国人枠も、モンゴル人1期生5人の脱走事件を機に「1部屋2人まで、全体で40人まで」と制度が変更。02年には全体枠が撤廃され、1部屋1人までとなった。

 外国人枠が設けられた以上、どうせ日本人以外を入門させるなら、相撲部屋としては出世する見込みのあるモンゴル人の方が望ましい。ただでさえ、少なかった中国韓国人力士がさらに減ったのは、そのような理由のようだ。

■反日感情も少なからず影響か

 スポーツライターの工藤健策氏はこんな見方をしている。

「モンゴルにはブフと呼ばれる伝統的な格闘技がある。我々がモンゴル相撲と呼んでいるものでたいへんな人気です。興行として成り立っている日本の大相撲で金を稼ごうという若者が生まれる下地はあるのです。韓国にも相撲は存在しますが、中国と同様に大相撲の世界に入ってくる若者が少ないのは、反日感情とも無関係ではないでしょう。過去もそうだが、特に近年は、安倍首相の言動により、日中、日韓関係は最悪です。先日は安倍首相がAPECに出席した際、中国の習近平国家主席と握手したが、あの硬い表情ですから、関係改善にはまだまだ時間がかかる。例えば今、親方が現地へスカウトにいったところで、仲の悪い国の厳しいタテ社会に飛び込む者などいませんよ」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…