白鵬右向きゃ、相撲協会も右を向く
円安が進み、差益で輸出大企業だけが肥え太り、現ナマの臭いをかがされて尻尾を振る与党候補者は一斉に師走の地元に散る。一方で現ナマのありがたみを知らぬ国民は年金基金が株取引されても何の実感も湧かぬ。投資やFXに至るまで、今やスマホの画面をポチッと触るだけで済むそんな時代。
大相撲の懸賞金は土俵を回るのぼり1本につき勝ち力士の懐に現ナマ3万円が入る。結びの一番ともなると20本ほどのぼりが回るから、1番勝てば白鵬は祝儀袋入りの現ナマ60万円を懐にする。白鵬が協会からの給料以外に毎場所600万円を超す祝儀を手にし、手にはしたいが自分の取組前に回るのぼりの魔力に立ちくらみして遠藤は勝てない。なるほどな、面前で現ナマのやりとりがまかり通る大相撲というのは特殊な社会なのだ。
朝青龍が最も強くて横着だったころにやっていたしぐさ、その現ナマを行司から受け取るときに(いちおう手刀は切るのだが)、わしづかみにしてふんだくったうえに「どうだ、すげえだろ!」とあたりをねめ回していたのがえらく不評だった。勝負がついた後も土俵外までとどめを刺しに行き、肩そびやかし、酒飲んで酔っぱらって一般人を殴った。