醜聞対応後手、利権まみれ…日本スポーツ団体“迷走”の理由
例えば全柔連は日本スポーツ振興センターからの助成金を不正にプールし、職員の飲食に使っていた。カネを配る日本スポーツ振興センターは文科省の外郭団体。典型的な天下り団体ともいわれる。
スポーツファンの松野弘氏(東京農大客員教授)がこう語る。
「文科省の官僚は50代で大学の理事や美術館の館長などに天下るが、競技団体などの公益財団法人なども受け皿になっている。彼らは受け入れ先を転々として高額な収入を得る。また、森喜朗元総理がラグビー協会の会長になっているように、各競技団には現役や元政治家が会長や顧問などに就いている。これは多額の補助金を得るためであり、政治家も選挙の集票に役立つ。いわば持ちつ持たれつの関係になっているのです」
そうやって政治家や官僚とつるんで甘い汁を吸っている競技団体の多くは公益財団法人だ。スポーツ強化につぎ込まれる国庫補助金、つまりは庶民の税金で甘い汁を吸いながら、なおかつ税制上の優遇措置を受けていることになる。
■競技団体はまるで“伏魔殿”