醜聞対応後手、利権まみれ…日本スポーツ団体“迷走”の理由
近年、醜聞が絶えない日本のスポーツ界。中でも連日話題を提供しているのがアギーレ監督の八百長疑惑で迷走中の日本サッカー協会だ。
国内で疑惑がもちあがったのは9月下旬。協会はそれから3カ月間も手を打たず、アギーレ監督は今月15日深夜、スペイン検察に告発された。協会は関係者をスペインに派遣して情報収集、アギーレ監督も今週中には会見を行うそうだが、対応が後手に回っている印象は否めない。
醜聞といえば、競技団体の内紛が原因で無期限の資格停止処分を食らった日本バスケットボール協会や、暴力、セクハラ問題に補助金の不正流用などが明るみに出た全日本柔道連盟にしても問題の根っこは同じだ。
各競技団体は、五輪や世界選手権など、現役時代の実績をもとにして職員を序列化。元有名選手たちが引退後、安定した収入を得たり、生活を送れるシステムになっている。
スポーツライターの工藤健策氏は「競技団体の支配体制は簡単には崩れません」と言って、こう続ける。
「えてしてスポーツ選手には権威主義的な人が多い。現役時代に立派な成績を収めた者が競技団体のボスになると、自分の意に沿わない人は排除する傾向にある。だから多数決を行えば自分の意見が通る。スポーツ一筋で生きてきたので世間知らずで組織運営は素人です。全柔連をはじめ競技団体の組織が腐敗するのは当然なのです」