イチローは生かさず殺さず起用 不人気マーリンズの“商魂”
外務省領事局政策課の資料によれば、マイアミの在留邦人数は9254人(14年10月1日現在)。ロサンゼルスやニューヨークほどではないにせよ、日本人コミュニティーもある。イチローは日本を代表する複数の企業のイメージキャラクターに起用されており、日系企業が球団のスポンサーに付く可能性もある。
さらにマイアミはキューバをはじめ、中南米系の移民が多い土地でスペイン語を話す住民が少なくない。イチローは英語だけでなく、スペイン語も流暢に操るだけに、地元住民のファン拡大も期待されている。
マーリンズのフロント幹部が遠路はるばる、ガン首そろえて日本にやってきたのは、それなりの計算があるのだ。
■打席数をにらみながら再契約も視野
彼らの計算は当然のことながら、イチローの起用法にも影響する。
イチローの契約には約2億4000万円の年俸以外、打席数に応じた出来高払いがある。打席数が300を超えた時点で約4800万円。それ以降50打席ごとに約4800万円ずつ加算され、600打席をクリアすれば約3億3600万円のボーナスになる。