レフティーに苦戦予想も…錦織圭の3回戦は“仮想ナダル”
テニスジャーナリストの塚越亘氏がこう言う。
「確かに左利きは絶対数が少なく、右利きの選手は慣れていないので対戦の際に戸惑うことはあります。それに、(対戦相手の)ベルダスコは過去に4大大会で活躍した実績のあるベテラン選手(09年全豪ベスト4、13年全英ベスト8)ですから、簡単には勝たせてくれないでしょう。しかし、相手のサービスがバック側にきても錦織クラスになれば、コースをある程度予測して動けるのでそれほど苦にはならないはずです。仮にファーストサーブでバック側に逃げていく難しいボールがきたら、あきらめればいい。世界ランク30位前後の選手にはそんなサーブは1ゲームで何本も決められないし、相手のサービスゲームを全てブレークする必要もない。今回の錦織は序盤に相手のサービスの角度や傾向を読み、大事な場面で着実に得点すると思います」
錦織が次のベルダスコ戦に勝てば、4回戦は現在同ランク12位で同じ左利きのロペス(33=スペイン)との対戦が予想されている。
「左利きが続くとはいえ、錦織の目標はグランドスラム制覇。おそらく彼は『仮想ナダル』と考えて、いろいろなことを試すと思います。左利きの打球は実戦でしか経験できないですから」(塚越氏)
今大会は4大大会に次ぐ「ATPツアーマスターズ1000(優勝者に1000ポイント加算)」というビッグトーナメントだが、欧米メディアの「苦戦予想」は当たるか。