満身創痍の原巨人 バックアッパーに“浪人”中村紀が急浮上
一塁の阿部にも三塁の村田にも、計算のできるバックアッパーが必要になるということだ。オープン戦でどちらのポジションもこなした39歳のベテラン井端が控えているとはいえ、打撃好調の今季は二塁での先発出場も増える可能性が高い。
■希代の“問題児”も最初は優等生
「今も継続的に先発投手と長打の打てる野手をポイントに新外国人の調査をしている。メジャーの開幕前に40人枠から外れる、それなりに実績がある選手を探している」
チーム関係者はそう言うが、だったら中村紀でもいいんじゃないか。来てみないと分からない助っ人にカネを払うより、コストパフォーマンスは悪くない。オリックスとの契約交渉が決裂した07年、その年のキャンプ中盤のテストで拾われた中日とは年俸600万円の育成契約だった。それが、シーズンに入るや打線の中軸を担い、終わってみれば打率.293、20本塁打、79打点の活躍。リーグ優勝に大きく貢献して、日本シリーズでは打率.444でMVPまで獲得した。
2度目の浪人のときもそうだ。10年に楽天をクビになり、約7カ月のブランクを経て翌年5月末にDeNAに入団。年俸は前年の1億5000万円から500万円と30分の1になったが、2年目には打率.274、11本塁打、61打点とレギュラー級の働きを見せた。