二松学舎を撃破の松山東 「偏差値70」データ分析部隊の正体
偏差値70の超進学校が強豪校を粉砕した。
センバツ5日目第3試合、21世紀枠の松山東(愛媛)が、甲子園春夏通算6回出場の二松学舎大付(東京)を5-4で撃破する番狂わせ。16三振を喫しながらも、七回に勝ち越した。
堀内監督は「夢の世界が現実になった気持ち」と興奮を隠しきれなかったが、松山東の勝利は決してフロックではなかった。「9番・二塁」で先発出場した松下洸葵選手(3年)が、「ベンチに入っていないメンバーがデータ班として分析をしてくれたおかげです」とこう言うのだ。
「二松学舎大付が出場した昨夏の甲子園大会をビデオで分析し、投手の傾向や配球、各打者は何球目から振ってきて打球がどこに飛ぶ傾向があるのかなどを、すべてデータ化してくれたんです。それをB4のプリントの両面にびっしり書いて、数日前にメンバーに配ってくれた。そうしたら、昨日はその改訂版が配られたんです(笑い)。僕も守りやすかったですね」
このデータ班が、1年生エースとして昨夏甲子園を経験した相手投手の大江を「内角への直球に自信を持っていたから、それを投げさせないように。外から内に入ってくる変化球を引きつけて打つ」と分析。選手はそれを実践し、変化球を狙い打って攻略した。七回の勝ち越し点も「牽制は2球連続でこない」というデータを生かして一塁走者が盗塁成功、続く単打で奪ったものだった。