森の3ランでひさびさ勝利も 西武の「大宮開催」にうまみなし
「お忙しい中、ご声援いただき、ありがとうございました!」
3ランを打った西武の森友哉(19)がお立ち台でファンを笑わせた。
県営大宮球場で行われた16日の楽天戦を制した西武。これには選手のみならず、多くの球団スタッフも安堵のため息だ。なにせ、西武は大宮球場での試合はめっぽう弱い。一昨年から4連敗中で、ようやく5連敗を免れたくらいだ。
西武主催とはいえ、年に数試合程度。今季も3試合しかない。地の利などなく、地方球場並みの設備には選手も不満をもらしていた。
球団としても大宮開催のうまみは少ない。大宮で初の公式戦を行った08年は売り興行だったが、現在は手打ち興行。準備から撤収まで自前で行うため、スタッフはてんてこ舞いになる。大宮近隣に西武線は通っていないため、鉄道としても儲けはゼロだ。
それでも西武が球団名に「埼玉」を付けている以上は東埼玉とも呼べる大宮での試合は欠かせない。08年の導入時は、当時の小林球団社長が「普段、野球を見ることのない大宮の方々にも……」と発言。周囲から「同じ埼玉に球団があるのに、いかに西武が地域開拓を怠けていたか」と失笑を買った。
森の一振りはせめてもの救いになったか。