3ボールが11回も 阪神・藤浪「プロ初完封勝利」は胸張れない
数字だけを見れば「完璧な投球」にはなる。
阪神の藤浪晋太郎(21)が20日の巨人戦で入団3年目にして初の完封勝利。たった1点の援護を守り切る2安打10奪三振の内容に、「真っすぐが良かった。コーナーにしっかりと投げ分けられ、粘り強く投げられたのが良かったと思います」と自画自賛すれば、和田監督も「藤浪に尽きますね。(先取点が入ったあと)守りに入ることなく投げてくれました」と手放しだった。
が、課題の制球はこの日も荒れた。数字上は3四球でも、打者30人に対して3ボールまでいったのが実に11度。他球団のスコアラーに言わせると、「あれじゃあ、守っている野手はリズムに乗れませんよね。フルカウントが9度もあって、そのたびに天を仰いだり、下を向く野手が何人かいましたよ。援護がたったの1点というのは、阪神打線に元気がないことだけが原因じゃない」とのこと。続けて、「まあ、この日に限っては、巨人の各打者に的を絞らせなかった、ということにはなりますけど」と言った。要するに、「荒れ球が功を奏してのプロ初完封」というんじゃ、藤浪も胸は張れまい。