上野氏“解任”騒動の日本水連 真の狙いは「平井伯昌HC潰し」
日本のお家芸のひとつである競泳界が揺れている。
日本水泳連盟(水連)が強化担当のトップに立つ上野広治・競泳委員長を交代する方針であることが25日の一部報道で発覚。日本代表のヘッドコーチ(HC)時代も含めて強化担当者として計28個のメダル獲得に尽力した同委員長の突然の“解任”騒動に平井伯昌現HCが猛反発し、「上野さんとは一蓮托生。上野さんを代えるなら、僕も代えて欲しい」と7月開幕の世界選手権(ロシア・カザン)を前に辞任を示唆したのである。
報道によれば、上野委員長が水連の強化責任者と東京都水泳協会会長を兼務していることに批判が集まっているというが、当の委員長によれば「他にも(都道府県協会と)掛け持ちの人はいくらでもいる」という。不可解な交代方針に「なぜ、私だけダメなのか」と疑問を口にしたが、今回の騒動は上野委員長よりも競泳界による平井HC潰しともっぱらだ。
平井HCは男子平泳ぎ(100、200メートル)でアテネ、北京と五輪を連覇した北島康介ら多くのメダリストを育てた名伯楽。13年からは東洋大水泳部監督に就任し、複数種目でのメダル取りを目指す萩野公介ら多くの有力選手を指導している。競泳界を代表する指導者として不動の地位を築き上げた一方、強引ともいえる勧誘で有望な選手を根こそぎ囲い込むやり方には非難の声が少なくなかったのも事実だ。