東京五輪へ「ジュニア育成」拡大も…“競技差別”を指摘する声
「それでも反発は避けられないでしょうね」
こう語るのは、ある競技団体の関係者だ。
日本オリンピック委員会(JOC)は28日の選手強化常任委員会で、有望な中高校生に寄宿制で英才教育を施すエリートアカデミーの対象競技を見直すことを決めた。来年4月からは卓球、レスリング、フェンシング、水泳の飛び込み、ライフル射撃の5競技以外にも門戸を開くという。
このアカデミーは08年、レスリングと卓球の2競技を対象にスタート。国内最高の施設で指導を受け、語学教育や栄養管理も徹底されており、多くの競技団体がうらやむほどの万全なサポート態勢でエリート教育が行われている。
後にフェンシング、ライフル射撃、水泳の飛び込みが追加され、今は47人の選手が入校。都内のナショナルトレーニングセンターを拠点に近隣の学校に通いながら毎日、汗を流している。昨年の運営費は約1億円。対象となる競技団体も強化費を出している。
バレーやバスケ、水泳なども協会や連盟が独自の基準やオーディションを行って小中高生を選抜、育成しているのだが、施設や予算の問題から選手強化が思うように進んでいない競技もある。