阪神も藤川狙いだった プロ野球は「メジャー帰り」になぜ垂涎
「助っ人獲得のために渡米するのは、せいぜい2カ月程度。新助っ人の発掘に時間をとられるので、日本人メジャー選手はしっかり見ることができません。国内担当の編成が交渉することも多く、日本で活躍していた頃の印象に加えて、ビデオや代理人の言葉だけで獲得するケースも少なくない。知名度もあり、入団すれば話題にもなるから興行面でメリットがある。どの球団も似たようなことを考えるから争奪戦になり、値段もつり上がるのです」
なにも、日本に帰ってくるのが悪いというわけではない。獲得する球団は「メジャーブランド」にホイホイと飛びつくだけでなく、選手を正当に評価してオファーを出すべきではないか。
働かない高給取りがいればチームがギクシャクする原因になるし、そもそも高いチケット代を払って球場に行ったり、高い視聴料を払ってテレビ観戦するファンが浮かばれない。前出の鈴村氏が言う。
「プロ野球の年俸は前年の評価が大きく反映される一方、メジャーのそれは翌年の期待度であったり、選手の球団内の位置付けで決まる。イチローの年俸がメジャー平均(約5億2700万円)に満たない200万ドル(約2億4000万円)なのは、『4人目の外野手』だから。完全な実力至上主義で、生え抜き、過去の実績などの“情実”が加味されたり、大型契約につながることはない。年俸も基本給は抑え、出来高を手厚くするケースがほとんどです」
松坂や中島だって、「年俸は1000万円で、活躍したら2億円でも3億円でも出してやる」というならまだ分かるというわけだ。
藤川に断られ、大金をドブに捨てずに済んだ阪神も、これで目を覚ましてくれればいいのだが……。