下位打線“降格”で奮起 広島2年目・田中広輔を徹底解剖
■イチローの恩師
期待が大きいだけに、広島首脳陣の目は厳しい。オリックスのコーチ時代に、あのイチロー(マーリンズ)の打撃を開眼させたことで知られる広島の新井宏昌打撃コーチは「今年2年目。数字だけ見ればよくやっている」と前置きした上でこう言った。
「低めの変化球の見極めができていない。追い込まれて振ってしまうのは仕方ない。でも田中は早いカウントでも振ってしまうことがある。昨年も3割弱(.292)だったでしょう。そこを克服しない限り、常時3割以上は打てないし、打者として先には行けない。大きな課題です」
自身も名遊撃手だった石井琢朗守備走塁コーチが指摘する。
「鉄砲肩ではないから足を使って守れと。あとは状況判断について、毎日口うるさく言っています。ボクと同じ左打ちでショート。経験談を話して取捨選択し、いいと思えば実践してくれればいいんだけど、田中は『はい』と返事はするけど、聞き流しているところがある。アマチュアで場数を踏んでいるだけに、ずぶといなと思いますね」