初代監督が語る強さの“源流” なでしこ「ゴキブリ真っ黒」伝説
「殊勲のゴールを決めた岩渕は、国内でプレーしていた頃はピッチ内外で甘ったれだったが、ドイツW杯後に一念発起してドイツリーグに移籍。13年には、日本代表FW宇佐美貴史が所属していたホッフェンハイムに移籍した。20歳だった岩渕は通訳なし、移動用の車なしという状況にもへこたれずに練習の合間には語学学校に通い、オフの自主トレも欠かさなかった。あまりのストイックさに宇佐美が『それに比べてオレは……』と脱帽していた」(サッカージャーナリスト)
そういえばエースFW大儀見優希はドイツW杯後、男子のプロサッカー選手会が日本サッカー協会と出場給、勝利給などでモメた際、<おまえら何のためにサッカーやってんだ? 女子は世界一になりたい、うまくなりたいという純粋な思いでやっている>とバッサリ切り捨て話題になった。
「男子も女子も『世界一になりたい』と選手は口にするが、どうして女子の方が素直に心に響くのか? W杯で戦っている姿を見て、どうして女子を心の底から応援したくなるのか? 恵まれない環境にもかかわらず、女子サッカー隆盛という使命感を忘れず、身を粉にしてプレーしている。これがグッと胸に響いてくるのです。なでしこの持ち味である結束力、勝負強さ、コンビネーションプレーなどW杯が開幕してから確実にレベルアップしていった。一体感が伝わってこず、ブラジルW杯で惨敗した男子とは好対照です」(元日本代表GKの田口光久氏)
男子は、なでしこのツメのアカを煎じて飲むべきだ――。