女子200mバタフライ決勝 星奈津美が難病乗り越え“金”
ロンドン五輪銅メダリストが意外にも3度目の挑戦でついに頂点に立った。
水泳の世界選手権(ロシア・カザン)は6日(日本時間7日未明)、女子200メートルバタフライ決勝を行い、星奈津美(24)が2分5秒56で優勝。日本勢として今大会初の金メダルで日本水泳連盟の規定をクリアし、来年のリオ五輪代表に決まった。
序盤は大きく出遅れながら、持ち味である粘りを発揮。徐々に追い上げて150メートルを3位で通過すると、残り50メートルで海外勢を引き離してトップでゴールした。
2度目の五輪だったロンドンでは同種目で銅メダルを獲得したが、その後は持病であるバセドー病に苦しんだ。甲状腺ホルモンが過剰になり、首の腫れや動悸、発汗などの症状に悩まされる難病だ。高校時代に発病し、それまでは薬を服用して治療を続けてきたが、昨年11月に甲状腺を摘出する手術を受けた。喉元には今も12センチの傷が残る。しばらくは傷痕を気にして、全力で練習できなかったという。
昨秋から指導を受ける平井伯昌コーチの下、スピード強化に励み、海外勢とも互角に勝負できる力をつけた。北京、ロンドンに続いてリオは3度目の五輪となる。本人が「最後の五輪」と位置付けているリオで日本競泳陣を牽引できるか。
▼星のコメント
「最近、自分らしいレースがずっとできていなかったので、最後は今までやってきたことを出そうと必死に泳いだ。いろいろな人に支えてもらい、感謝の気持ちを強く持って、それを表現できる泳ぎをしようと思った」