七回にタイムリー 早実・清宮甲子園デビュー戦「全打席詳報」
そんな異常なムードの中で迎えた三回の第2打席も、清宮はいつものように右肩にバットを担ぎ、肩で風を切るように大股でバッターボックスに向かった。1死走者なしの場面で今度は死球。106キロのカーブが右足に当たったが、全力疾走で一塁に向かった。
確かに、気負いや緊張は見えなかったものの、今治西の投手がサイドスローの杉内(3年)に代わった3打席目も結果は出ない。
四回の2死二、三塁で初球を打ち上げ、平凡な中飛。清宮は思わず天を仰いで顔をしかめ、バットを地面に叩きつけるしぐさを見せた。
待望の初安打初打点のあとは、八回2死一、二塁の場面で二ゴロ。一発は13日の次戦(第1試合・広島新庄)に持ち越しとなった。
試合は初回、清宮の凡退後に早実打線がつながり、相手のミスもあって3点を先制。主導権を握り、6-0で快勝した。
■怪物バッターは初戦で苦戦の過去
怪物といわれた過去の1年生は、初戦で聖地の厳しさを味わった。PL学園(大阪)の清原和博は83年夏の1回戦・所沢商(埼玉)戦で甲子園デビュー。初打席は二ゴロに倒れ、その後も快音は聞かれず3打数無安打に終わった。星稜(石川)の松井秀喜は90年夏に初甲子園。2回戦の日大鶴ケ丘(西東京)戦で4番に入り、初打席こそストレートの四球で出塁したものの、こちらも3タコに終わり、星稜はこの初戦で姿を消した。