オリ監督に梨田氏浮上 人事の専門家は「組織が硬直化」と指摘
相も変わらず無難な人事だ。
福良ヘッドコーチが監督代行のオリックス。一部スポーツ紙は8日、次期監督候補として「梨田昌孝氏(62)が最有力」と報じた。
梨田氏は「オリックス・バファローズ」の前身のひとつである近鉄出身。オリックスと合併前の00~04年に監督を務めていた。さらに08~11年には日本ハムで指揮を執り、09年はリーグ優勝に導いている。球団OBでもあるので無難といえば無難かもしれないが、オリックスが本気で梨田氏に後任を任せるとすれば、これほどつまらない人事もない。
すでに他球団の手あかがついた人材を再登板させても新鮮味はない。近年はロッテの伊東監督も、西武で07年まで指揮を執っていた。助っ人だけでなく、監督まで使い回しでは興が冷めるというものだろう。
長年のプロ野球ファンでビジネス評論家の菅野宏三氏は、「組織が硬直化している」とこう言う。
「実績も知名度もある人材なら、大きな失敗はしません。仮に失敗したところで、選んだフロントの責任にはなりにくいという考えなのでしょう。他球団で活躍した外国人選手を獲得するのと同じ理由ですね。しかし、プロ野球はサラリーマンの社会と違ってファンあっての興行です。リスクを避けるよりも冒険を優先した方がファンも面白い。梨田さんより監督未経験の若い人にやらせた方が注目度も増す。監督の使い回しというのは結局、フロントに新しい人材を発掘、交渉する能力がない、サラリーマンの集団ということを証明しているようなものです」