優勝決定戦制し横綱昇進後初Vも 鶴竜が本割で負けた裏事情
横綱鶴竜(30)の2度目の優勝で幕を閉じた9月場所。しかし、多くの関係者は結果が出る前から、「本割で鶴竜が照ノ富士に負けて3敗で並ぶ。そして優勝決定戦で鶴竜が勝つ」と口を揃えていた。
その予想通り、結びの一番で勝ったのは大関照ノ富士(23)だ。13日目に右ヒザ靱帯を負傷し、14日目はマトモに相撲を取れなかったが、一方的に横綱を寄り切り。優勝決定戦は鶴竜が上手出し投げで大関をあっさり転がした。
これで鶴竜は横綱としては念願の初優勝。惜しくも賜杯を逃した照ノ富士は、それでも優勝同点。来場所は綱取りに挑戦できる。横綱に昇進するためには2場所連続優勝か、それに準じる成績でなければいけない。
「優勝に準じる成績」はケースバイケースだが、優勝同点ならば綱取りの資格はある。鶴竜も昨年1月場所と3月場所を、優勝同点、優勝で横綱に昇進している。
もし、本割で鶴竜が「勝ってしまえば」、全てがパーだった。さすがに11勝4敗で挑めるほど、綱取りは甘くはない。北の湖理事長は「(12勝3敗では)ちょっと厳しい」と苦言を呈したものの、来場所全勝優勝なら昇進させることになるだろう。
ちなみに、14日目は2度の立ち合い変化でブーイングを浴びた鶴竜はさすがにバツが悪かったのか、インタビューでは「(優勝は)ファンのみなさんあってのこと。本当にみなさんありがとうございました!」と叫んだ。