ヒザの大怪我から半年…親方衆も期待する遠藤“蘇生”の理由
鶴竜が立ち合いで変わってはたきこみ、栃煌山がバッタリ。大相撲秋場所11日目の結びの一番が一人横綱の立ち合い変化では、館内のファンがブーイングを飛ばしたのも当然だ。
白鵬と日馬富士の両横綱が休場中。日本人力士にとっては千載一遇のチャンスでありながら、束になってもモンゴル勢にはかなわない。先場所10勝して大関取りが期待される栃煌山は6勝5敗。8勝2敗と好調の大関琴奨菊も全勝の照ノ富士に一蹴。十八番の「がぶり寄り」も通用しなかった。
今や日本人力士はモンゴル勢の引き立て役。そんな中、親方衆が「モンゴルを倒すのはアイツしかいない」と期待をかけるのが遠藤(24)だ。
13年9月場所に幕内デビューし、一躍人気力士の仲間入り。しかし、肝心の結果がついてこず、親方衆からは「期待外れ。大関取りなんて悪い冗談さ」と酷評された。それが手のひらを返したように、「遠藤ならやれる」ときたのだ。
きっかけとなったのは今年3月場所のケガ。左ヒザ十字靱帯の部分断裂という重傷を負いながら、手術を拒否。下半身の筋肉を鍛えることによって患部をカバーする道を選んだ。これが遠藤にとって「ケガの功名」になったという。