メジャー未経験の若手を異例抜擢したロイヤルズGMの計算
3戦目以降に起用されれば、史上初めてメジャー経験のない選手がワールドシリーズに出場することになる。
ネッド・ヨスト監督は大舞台に若手内野手を抜擢した理由を「両打ちだし、内野の複数ポジションを守れるのは武器だ。機動力も兼ね備えているだけに柔軟に起用できる」と話した。
30年ぶりの世界一を目指すロイヤルズのデイトン・ムーアGMには計算がある。同GMはブレーブス時代から将来性があると判断した若手にはマイナーで実績がなくても、積極的にチャンスを与えた。入団2年目で、当時19歳だったヘイワード外野手(現カージナルス)を09年のメジャーキャンプに参加させ、高いレベルで経験を積ませた。ヘイワードは翌年の開幕からメジャーに定着した。
ムーアGMは昨季終盤に1Aで打率2割台前半ながら36盗塁をマークしていたテレンス・ゴア(当時23)を飛び級させてメジャーで起用。主に試合終盤の代走に使い、ゴアは8月終盤からワールドシリーズまでで21個の盗塁を決めた。代走だけでは出場機会が限られるため今季は主に2Aでプレーし、打率2割8分4厘。自己最高打率で課題だった打撃が向上した。
モンデシーとゴアは育成を重視するムーアGMの象徴的な存在と言えそうだ。