WS開幕 カネなしチームが「金満球団」蹴散らす“下克上”の痛快
27日(日本時間28日)開幕する大リーグのワールドシリーズ。今年はア・リーグのロイヤルズとナ・リーグのメッツという顔合わせだ。
ロイヤルズの年俸総額が約1億3000万ドル(約156億円)で30球団中17位なら、メッツは約1億ドル(約120億円)で20位。金銭面で恵まれているとは言い難い両球団が、ドジャースやヤンキースといった金満球団を尻目にメジャーの頂点を争う。
メッツは今季、投手のデグロム(27=10年ドラフト9巡目)、ハービー(26=10年1巡目)、マッツ(24=09年2巡目)、野手のコンフォート(22=14年1巡目)ら生え抜きの若手が活躍した。
昨年もワールドシリーズに駒を進めたロイヤルズにしてもゴードン(31=05年1巡目)、ムスターカス(27=07年1巡目)、コロン(26=10年1巡目)、ホズマー(26=08年1巡目)ら、ドラフト上位で獲得した若手がソツのない野球を展開したことが大きかった。
メジャーのドラフトは前年の成績の悪かったチームから順番に選手を指名していく完全ウエーバー制。FAで選手が流出した球団は、移籍先のドラフト指名権を得るなどの救済措置もある。だからこそ、かつて下位に低迷したロイヤルズやメッツが素質ある選手を地道に鍛え、金満チームを打ち負かす下克上も生まれる。必ずしもカネをかけたチームが結果を出すわけではないから、ファンも毎年、どこが勝つかワクワクしながら観戦する。