「3代目・山の神」エース神野不発 青学大は箱根駅伝Vに暗雲
「いざ走ったら思うようにいかなかった」
こう言って顔をこわばらせたのは「3代目・山の神」の青学大・神野大地(4年)だ。
1日の全日本大学駅伝(愛知、三重)は東洋大が初優勝。来年1月の箱根駅伝を含めた「3冠」を狙った青学大は5時間14分8秒で2位に終わった。
誤算は神野だった。両足の故障からの復帰戦となったこの日、アンカーとして出場。トップの東洋大から27秒差でタスキを受けたが、走りは本調子に遠く、時折、足を気にするしぐさも。結局、1分以上の差をつけられてゴールした。原晋監督は「(全体的に)勝とうという執着心が足りなかった」と指摘。来年の箱根駅伝に向けて帯を締め直したが、「今回の結果が来年の箱根駅伝に影響する」という声もある。
神野は今年の箱根駅伝5区で活躍し、「山の神」と呼ばれるようになった。しかしその後、2月に左大腿骨、6月には右すねをそれぞれ疲労骨折。10月の出雲大学駅伝は神野抜きで優勝し、青学の強さを見せたものの、「神野が本格的に練習を再開したのは9月。箱根駅伝に向けて最も重要な夏に、強化練習ができなかったのは心配。授業が夏休みに入るこの時期、各校は合宿でロードの長距離走やトラック練習で走り込みをする。神野の才能でどこまでカバーできるかにかかってくる」(在京テレビ局関係者)。
優勝して勢いに乗る東洋大や、昨年の箱根駅伝で総合2位の駒大も虎視眈々と逆襲を狙っている。残り2カ月。神野はどこまで調子を上げられるか。