リオも惨敗必至 日本男子マラソンが“純潔主義”と決別する日
当然の結果だ。
22日に開幕した世界陸上北京大会。同日午前に行われた男子マラソンでは、藤原正和(34)が21位、前田和浩(34)は40位と大惨敗。同競技で日本は、99年から連続入賞を続けていたが8大会で途切れた。この結果に日本陸連の宗猛男子マラソン部長(62)は、「世界と凄く力の差を感じた。若くて勢いのある選手がマラソンに挑戦して、そこから暑さに強い選手を選べば、まだチャンスはある。現状の選手で勝負するのは厳しい」と言ったが、今更何を言ってるのか。
国内の若い長距離選手、つまり大学生は、箱根駅伝を重視し、駅伝に入魂する。20歳前後で福岡や別府大分、東京、びわ湖などの主要マラソン大会に出場する学生は皆無といっていい。毎年正月に大きく報じられ、テレビ視聴率も高い箱根駅伝が、「日本のマラソンをダメにしている」と言われて久しい。高岡寿成・現カネボウ陸上部監督が02年のシカゴ・マラソンで出した2時間6分16秒の時計が現在も日本記録であり、それ以後6分台で走った選手はいない。
今年の東京マラソンで今井正人は2時間7分39秒(7位)で走ったが、日本人の7分台は実に3年ぶりのこと。国内マラソンの「進歩時計」は止まっているというより、むしろ逆戻りしているのだ。その責任を選手個人に押しつけて偉そうなこと言っている陸連のマラソン部長こそ、若い指導者に代わるべきだ。