<第5回>旧来の陸上界にはない新発想を指導に取り入れてきた
1日の全日本大学駅伝は、青山学院大陸上部にとって残念な結果に終わった。10月12日の出雲駅伝に続いてタイトルを狙い、ケガで戦線を離脱していたエース神野大地を最終区にエントリー。原晋監督は「普通にやれば勝てる」と自信を持って挑んだ。しかし、序盤から東洋大に先行を許して後手に回り、射程圏内の27秒差でたすきを受けた神野も本来の力を発揮することはできなかった。「就任3年目に箱根駅伝の予選会で敗れて以来の悔しさ。(年明けの)箱根駅伝では倍返しにします」。そうリベンジを誓った原監督は今、日本の陸上界にクサビを打ち込もうとしている。(取材・構成=和田悟志)
箱根駅伝で初優勝を果たすと青学フィーバーが巻き起こり、原晋監督の生活も激変した。
「選手の勧誘や講演などで全国各地に行くのですが、空港のロビーなどで声をかけられることが増えました。この間、カミさんと温泉に行って浴衣姿でいたら『原監督ですよね?』と声をかけられました。私はオンもオフも自然体を心掛けていますが、それでもちょっと外出する時だからサンダル履きで、というわけにはいかなくなりましたね」と苦笑いである。