ドーピング疑惑のケニアに大甘処分 国際陸連はなぜ弱気?
ロシアに続いて今度は「ケニア」だ。
国際陸連(IAAF)の倫理委員会は30日、ケニア陸連のキプラガト会長、オケヨ副会長ら幹部3人に対し、180日間の暫定資格停止処分を科した。ケニア陸連では11月に、世界のトップクラス7選手のドーピング違反を認定。さらにIAAF理事でもあるオケヨ氏が、ケニア陸連と米スポーツ用品大手のナイキ社との間で結ばれたスポンサー契約料を不正に流用した疑いが浮上していた。
今回の処分は幹部3人に対してのもので、組織ぐるみでドーピングをしていたロシア陸連のように競技団体が資格停止処分を食らったわけではない。
とはいえ、ケニアでは12年以来、40人ものドーピング違反が発覚。この人数は軽視できるものではない。それでも現在は、同国選手の国際大会への出場は可能だ。世界反ドーピング機関(WADA)はケニアに重大な関心を寄せているそうだが、なぜIAAFはケニア陸連には甘いのか。陸上関係者がこう言った。
「世界の主要マラソン大会(東京、シカゴ、ベルリン、ニューヨークシティー、ボストン、ロンドン他)をポイント制で争う『ワールド・マラソン・メジャーズ』への影響ではないか。近年のマラソンは年々、高速化している。長距離王国のケニアを筆頭にアフリカ勢が出場しないとレースを引っ張るランナーがいないため、平凡なタイムに終わる。世界新やそれに近い記録が出ないと『メジャーズ』の存在価値も問われかねない。そうなれば各レースの視聴率は低下し、放映権料が下落することも予想されますから」
それが本当ならバカげた話だ。