揺れる国際陸連 短距離女王に“配慮”で「五輪分配金」狙い
ドーピング問題で揺れる国際陸連(IAAF)が既得権益の死守に必死である。
ロイター通信が14日(日本時間15日)に報じたところによれば、来年のリオ五輪陸上女子短距離200メートルと400メートルの日程変更を検討しているという。
現行のスケジュールでは8月15日に女子200メートル予選が行われ、その1時間15分後に同400メートル決勝が行われる予定だ。リオではロンドン五輪200メートル金メダルのアリソン・フェリックス(30=米国)が200メートル、400メートルの2冠を目指している。米国陸連の強い要望もあり、日程を変更して選手の肉体的負担を減らし、フェリックスの2冠達成を後押しするというわけだ。
陸上界はロシア陸連による組織的ドーピング、ケニア陸連による収賄疑惑など、相次ぐスキャンダルに見舞われた。リオでは世界中の陸上ファンからソッポを向かれかねない。ジリ貧の国際陸連にとっては信頼回復のためにも、世界から注目を集めるフェリックスの2冠挑戦は好材料だ。
五輪では国際オリンピック委員会(IOC)から観客動員数やテレビ視聴率、メディアへの露出度などに応じて、各競技団体に分配金が支払われる。IOCによる競技団体ランクで最高の「A」に位置付けられている国際陸連は前回のロンドン五輪で全競技団体中、最高額の4700万ドル(約55億円)を受け取った。