156キロ右腕の田中にベタ惚れも 巨人はなぜ敬遠される?
最近では10年に沢村、12年に菅野を1位で一本釣りした。このスカウトが続ける。
「沢村の時は直前に系列スポーツ紙に『巨人以外ならメジャー』とデカデカ載って、その後に別の新聞が『ヤンキースが身分照会』と書いたことが決定打となって、他球団は手を引かざるを得なくなった。菅野は1年浪人したものの、巨人以外ならメジャーという意思が明白で、事実上の逆指名だった。もしこれを田中にやられたら、担当スカウトのクビが飛ぶくらいの一大事です」
■大谷世代の共通項
田中も今から「将来的にメジャーに行きたい」と公言しているから、スカウトはいやでも巨人の動きが気になるのだが、ある大学球界関係者がこう言った。
「本人のメジャー志向が予想以上に強いという情報がある。岩隈が残留を決めたマリナーズなどは、日本の球団同様に下級生の段階から熱心にマークを続けている。新日石ENEOSからレッドソックスに入った田沢のように直接、米球界挑戦の可能性が否定できないのが、この田中なんです。大谷と藤浪と同じ年でメジャー志向が強い年代。仮に日本球界を経て海を渡るにしても、今回のマエケンやかつてのダルビッシュ、マー君のように、ポスティング制度を使って早い段階で挑戦したいのが本音。認めてくれる球団の方が好印象なんです」
巨人はポスティングを認めていない。FA権を取らない限り、挑戦できないというだけで不利といえる。田中の強いメジャー志向に、結果として巨人が拒否される可能性がある。