脱貧打だけじゃない 巨人新助っ人2人に込められた別の狙い
貧打巨人が着々と準備を進めている。今月に入り、新外国人野手をダブル補強。もちろん、リーグワーストの打率.243、同4位のチーム本塁打98本の貧打解消のためだが、他にも意味があるという。
前ロッテのルイス・クルーズ内野手(31)は2年契約で年俸2億4000万円。今季のパ・リーグ二塁手部門でゴールデングラブ賞を獲得した名手である。二塁と三塁ができるという触れ込みで二塁の片岡、三塁の村田は戦々恐々。が、クルーズの本職は実は二塁ではない。メジャー時代は主に三塁と遊撃。本人も「遊撃や三塁の方が自信がある」と豪語していて、この補強は唯一レギュラー確約とみられていた正遊撃手の坂本勇人(27)を刺激する意味合いもあるというのだ。
「競争」を強調する球団関係者は「クルーズが遊撃の守備もうまいのは把握している。坂本をしゃきっとさせるための補強でもあるので」と言う。
今季から主将に就任した坂本は、打率.269、12本塁打、68打点。年俸は2億5000万円で複数年契約を結んだものの、球団も原前監督も高橋新監督も、そして本人だって納得できる成績ではない。前年の14年は.279、13年は.265。最近は「2割6~7分台の選手」で定着しつつあることが関係者全員の危機感でもある。