歌舞伎町で行列店…元巨人投手は“立ち食い焼肉”の先駆者
新宿・歌舞伎町の一角に行列が絶えない立ち食い焼肉店がある。わずか4坪の店内は大人6人が入ると“満席”。この店を切り盛りしているのが、日本ハムや巨人で投手として活躍した中村隼人さん(40)だ。
2000年に本田技研から日本ハム入り。2年目までに計13勝の活躍を見せたが、以後は低迷。04年途中に移籍した巨人でも腰痛に悩まされ、05年に戦力外通告された。
「巨人をクビになった直後はトライアウトを受けたり台湾でプレーしたりもしましたが、心が折れてしまった。それで、一時期は巨人時代に親しかった元木(大介)さんのマネージャーや、サパークラブでの飲食業をやりました。ところが、2年前に居酒屋を経営する実業家の親友から『立ち食い焼肉屋をやらないか』と誘われまして。この店の店長に抜擢されたわけです」
■余った肉を一人食べ続けて研究
焼肉は野球選手にとっていわば“主食”。現役時代から頻繁に食べ歩いていたこともあって、誘いは「渡りに舟」だった。しかし、この店は肉を大皿で提供せず、回転ずし形式の「一皿一切れ」売り。焼肉業界では革命的な売り方だったこともあって、オープン当初は思うように売り上げが上がらず、仕入れた肉が大量に余る日も続いた。