琴奨菊は満身創痍…次場所「綱とり」で力士寿命が縮まる
相撲内容を見ても、不安が残る。今場所は立ち合いから圧倒する場面が目立ったが、八角理事長(元横綱北勝海)も、「相手に粘られても勝つ相撲がなかった。しぶとく勝つことも必要」と話している。集中力に欠け、カド番5回の大関にそこまで期待できるのか。
あるベテラン記者は「07年に亡くなった先代佐渡ケ嶽親方、琴桜を彷彿させます」と、こう続ける。
「琴奨菊を見いだして育てた琴桜は短命横綱に終わった。32歳で横綱に昇進したが、力士としては高齢。体力の衰えも激しく、『ウバ桜』などと揶揄されていたものです。優勝は1度しかなく、在位わずか8場所、2年もたずに引退した。横綱の重圧は大関の比ではない。優勝から遠ざかるだけでも非難され、クンロクを続けようものなら、世間から『引退しろ!』の大合唱ですよ。仮に横綱に昇進したとして、琴奨菊はそうした重圧に耐えられるのか。力士寿命を縮めることになりかねない」
いまや日本中が03年に引退した貴乃花(現理事)以来となる、日本人横綱の誕生を心待ちにしている。琴奨菊はその期待に応え、不安をはねのけてほしいものだが……。