琴奨菊に先越され…稀勢の里「日本人最強」奪還できるのか
大関琴奨菊(31)の初優勝が世間を沸かせている。メディアにも出ずっぱりで、テレビで顔を見ない日はないと言ってもいいだろう。
その一方、肩身が狭いのが大関稀勢の里(29)ではないか。「日本で一番優勝に近い力士」と言われながら、幾星霜。カド番5回の老大関に先を越され、「日本人最強」の称号は過去のものとなった。
八角理事長(元横綱北勝海)、九重親方(元横綱千代の富士)、これまで最後の日本出身優勝力士だった玉ノ井親方(元大関栃東)も、「これで稀勢の里がどう思うか」と口を揃えている。プライドをズタズタにされた元日本人最強力士は、ここから奮起することができるのか。
ある親方は「それで変われたら苦労はありません」と、こう続ける。
「稀勢の里は優勝経験がないにもかかわらず、13年、14年に2回も綱とりを示唆された場所があった。それも、『今場所は優勝次点。来場所も優勝しなくても、内容次第では昇進の可能性はある』という、大甘基準。日本人横綱をつくりたい当時の協会執行部が、これだけお膳立てをしたのに、稀勢の里はチャンスを掴めなかった。年齢も29歳と決して若くはないだけに、難しいのではないか」