琴奨菊は満身創痍…次場所「綱とり」で力士寿命が縮まる
横綱といえば力士の最高位。朝青龍や白鵬らモンゴル人は別にして、過去の日本人横綱は人格、品格を兼ね備えていた印象が強い。相撲ファンだけではなく、世間の憧れを一身に集めていた。
が、頂点に上り詰めることが最良とは、必ずしも言えない。初場所を自身初の優勝で飾り、一躍時の人となった大関琴奨菊(32)もその一人だろう。
自身の誕生日である1月30日に祐未夫人と結婚式を挙げ、今が人生の絶頂期。こうした時は得てして実力以上の力が出るもの。綱とりがかかる次の3月場所を制しての横綱昇進を期待する声が日に日に強まっている。
ソノ気になっている本人の背中を押しそうだが、問題はその後だ。琴奨菊の体は満身創痍。12年には左足の副側靱帯を損傷し、その影響で右足も痛めている。13年には土俵のフチで胸を強打し、右胸大胸筋断裂で全治3カ月の大ケガを負った。本人も「疲労は弱いところにくる。ヒザも胸も背中もボロボロです」と弱音を漏らしたこともあり、NHK解説の北の富士(元横綱)からは「ボロ奨菊」と呼ばれたこともある。